「SとX」で霜鳥(中島健人)が抱えるトラウマの正体が注目を集めています。

専門家として振る舞う人ほど本当は繊細なんだなって感じることが多かったんですよね。霜鳥にもそういう危うさを感じます。
ドラマ「SとX」セックスセラピストという肩書きの裏にある傷を、ここから紐解いていきます。
SとXをもっと知る
- 霜鳥(中島健人)のトラウマの正体
- 霜鳥がセックスに踏み出せない理由
- 霜鳥がどうやってトラウマと向き合ったか
霜鳥(中島健人)のトラウマとは?
霜鳥(中島健人)のトラウマの正体について、ここから詳しく紐解いていきます。
霜鳥のトラウマの正体は?
霜鳥のトラウマの正体は、小学5年生のときに目撃した母親と父親以外の男性との関係、そしてその直後に起きた流血を伴う事件にあります。



セックスセラピストとして人の悩みに向き合う立場の人ほど、実は自分自身の過去とはちゃんと向き合えていないことが多い気がするんですよね。
霜鳥は佑美(新木優子)との関係の中で、体の関係に踏み出そうとするたびに、幼い頃に目撃した出来事のフラッシュバックに襲われてしまいます。
専門家として人前でセックスを語る立場・精神科医でありながら、自分自身は誰よりもその行為を恐れている。このギャップこそが、霜鳥というキャラクターの核になっている部分だと感じます。
表向きは冷静で余裕のある専門家を演じながら、内側ではずっと少年時代の恐怖を抱え続けていたと考えると、彼のセラピストとしての言葉一つひとつにも違った重みが出てきますよね。
父親の言葉がトラウマにどう影響した?
父親の「深く繋がるほど壊れたときは悲惨」という言葉が霜鳥に刻まれ、セックスを恐れる原因になっています。



子どもの頃に親から言われた言葉って、大人になってからも呪いみたいに残りますよね。霜鳥の場合はそれが恋愛や体の関係にまで直結してしまっているのがつらいところです。
この父親の言葉は、単なる教訓ではなく「セックス=危険で壊れるもの」「人と深く繋がると破綻する」という思考のベースを霜鳥の中に作り上げてしまったと考えられます。
佑美と交際していても、気持ちの部分では惹かれ合っているのに身体が追いつかない状態が続いていたのは、この言葉が呪縛のように働いていたためだといえそうです。
セラピストとして他人には「向き合うことの大切さ」を説きながら、自分自身はその言葉に縛られて一歩を踏み出せずにいた、という構図に切なさを感じた人も多いのではないでしょうか。
霜鳥(中島健人)がセックスに踏み出せない理由は?
霜鳥がセックスに踏み出せない理由には、ある強烈な記憶が関係しています。
霜鳥がセックスに踏み出せない理由は何?
霜鳥がセックスに踏み出せない理由は、行為の最中に必ず両親の事件のフラッシュバックが起きてしまうためです。



キスまでは自然にできるのに、その先だけ体が拒否反応を起こしてしまう。この境界線のリアルさに、脚本の丁寧さを感じます。
霜鳥と佑美は、心を通わせてキスをする関係にまでは自然にたどり着いています。
ただ、そこから先に進もうとして互いの体に触れ合い始めた瞬間、決まって霜鳥の中でスイッチが入ってしまいます。
恋愛感情そのものは本物なのに、体だけが過去の記憶に引きずられて拒否してしまうという、頭と体がちぐはぐな状態に陥っているのが霜鳥の抱える問題の本質だと考えられます。
フラッシュバックはどんな時に起きる?
体に触れ合い「スイッチ」が入る瞬間に、母親が男性の上で揺れ、血が飛び散るシーンのフラッシュバックが必ず起きます。



きっかけが「触れ合い始めた瞬間」にはっきり固定されているのが怖いところですよね。逃げ場がない分、霜鳥の恐怖の深さが伝わってきます。
この描写がリアルなのは、フラッシュバックが「行為そのもの」ではなく「行為に向かう直前の身体的な接触」に反応して起きる点です。
霜鳥の中では、体を重ねる直前の感覚と、小学5年生のときに目撃した両親の光景が完全にリンクしてしまっているため、理性でどれだけ佑美への気持ちを確認しても、体の記憶が先に警報を鳴らしてしまいます。
専門家として日々「心と体のつながり」を語ってきた霜鳥自身が、誰よりもそのつながりに苦しめられているという皮肉が、このキャラクターの重みを増しているように感じます。
霜鳥は佑美に何と伝えた?
霜鳥は佑美に対して「僕はセックスを憎んでいる」とはっきり告げています。



専門家という立場でこの言葉を言うのは相当な覚悟がいりますよね。取り繕わずに本音を出したところに、この関係の本気度を感じます。
セックスセラピストという肩書きを持ちながら「憎んでいる」とまで言い切る霜鳥の告白は、佑美との関係における大きな転換点になっています。
ごまかしたり、体調のせいにしたりすることもできたはずなのに、あえて核心の感情を言葉にして佑美に渡したという点に、霜鳥なりの誠実さが表れているように感じます。
この告白がきっかけとなって、佑美が「なぜできないのか教えてほしい」と一歩踏み込んでいく展開につながっていきます。
霜鳥(中島健人)はどうやってトラウマと向き合った?
霜鳥がトラウマとどう向き合っていったのか、ここから見ていきます。
霜鳥はどうやってトラウマを乗り越えた?
霜鳥は佑美の後押しで寝たきりの母親と向き合い、豊原教授との対話を経て、テレビでの告白によりトラウマと向き合いました。



一番苦手な相手との再会が、思わぬ形で過去と向き合うきっかけになるとは。展開の作り方が丁寧ですよね。
霜鳥がトラウマと向き合うきっかけは、佑美に背中を押されて母親のもとを訪れたことにあります。
そこで待っていたのが、長らく疎遠だった豊原教授でした。豊原教授がずっと母親の面倒を見続けてくれていたことを、霜鳥はこのとき初めて知ります。さらに、自分が霜鳥の父親と同級生であり親友だったこと、そしてこれまで霜鳥に厳しく当たっていた本当の理由も、このタイミングで語られます。
この対話を経たあと、佑美が企画したテレビ番組への出演が決まった霜鳥は、地上波という公の場で、自分が幼い頃に目撃した過去の出来事を告白するという決断をします。
豊原教授はどんな存在?
豊原教授は霜鳥に厳しく接する医学部長でありながら、長年霜鳥の母親の面倒を見てきた人物です。



表向きの対立関係の裏に、こんな形の献身があったと分かると印象がガラッと変わりますよね。
普段は霜鳥にセックスセラピストとして厳しく当たる立場の豊原教授ですが、実は父親の親友として、寝たきりになった母親の面倒をずっと見続けていたことが明らかになります。
テレビでの告白のあと、母親が入院する病院を訪れた霜鳥は、目を覚ますことはもうないという現実と、その母を支え続けてきた豊原教授の存在を同時に知ることになります。
厳しい指導者としての顔と、誰にも言わずに人を支え続けてきた顔が同一人物の中にあったという構図に、単純な対立構造では終わらせない脚本の丁寧さを感じます。
佑美との関係はどう変化した?
佑美と正面から向き合ったことで、霜鳥は「壊れても悲惨になるだけではない」と信じられるようになり、セックスの恐怖から解法されることになります。



父親の言葉を上書きするのが、恐怖ではなく佑美との信頼だったというのがこの話のいちばん良いところだと思います。
母親と向き合い、豊原教授という第三者の視点を通して過去を見つめ直したことで、霜鳥の中にあった「深く繋がると壊れる」という思い込みが少しずつ揺らいでいきます。
そこに、正面から向き合うと決めていた佑美の存在が重なり、霜鳥はようやく「佑美とは深く繋がっていい」と思えるようになります。
トラウマの根源にあった場所に自分から立ち返り、そこに佑美と豊原教授という他者を巻き込んだうえで一歩を踏み出したという展開は、単なる恋愛の成就以上に、霜鳥自身の再生の物語として読める部分だと感じます。
まとめ
霜鳥(中島健人)が抱えるトラウマは、小学5年生のときに目撃した両親の事件と、そこから生まれた父親の言葉に根ざしていました。
セックスセラピストという肩書きの裏で、誰よりもセックスを恐れていた霜鳥が、佑美や豊原教授との関わりを通して少しずつ過去と向き合っていく過程を見てきました。
この記事のまとめポイント
- 霜鳥のトラウマは、小学5年生のときに目撃した両親の事件が原因
- 体の関係に踏み出そうとすると、母親の事件のフラッシュバックが起きてしまう
- テレビでの告白と豊原教授との対話が、トラウマと向き合うきっかけになった
- 佑美との信頼関係が、父親の言葉に代わる新しい価値観を霜鳥にもたらした
専門家としての顔と、傷を抱えたひとりの人間としての顔。
この二つのギャップこそが、霜鳥というキャラクターを単なる恋愛相手以上の存在にしているのだと思います。










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